2020 WINTER | beautiful people

Winter 2020 Collection
Side-C / Vol.4

“Intimate”
見えるものより、見えないものほど真実であり、大切なものである。

建物の外壁と室内の間、躯体の内装材の間には、断熱材が配置されている。
誰の目にも触れることは無いが、重要な要素であり、むしろなくてはならないもの。

洋服の表と裏の間にも、同じように「間」がある。可能性に満ちた「間」が存在する。

Side Cは、クラシックなものを変革的に捉え、意識することの無い、
目に触れることの無い、だが同時に本質的でなくてはならない「間」に着目すること。

生地を開閉、裁断、捲ることで新たな機能が吹き込まれ、
広がる潜在力、流動的かつ可逆的なプロセスの中で着る人との対話が生まれる。(*1)

トレンチコート、ドレス、靴から鞄まで、一つのアイテムが多数のアイテムへ変換されていく。
一つの着方、使い方に留まることはない。
輪郭は変形し、機能も変化、着る人に多様性という自由を与える。(*2)

シルエットは優しく滑らか。
カラーパレットは落ち着いたブラック、グレー、カーキーに、鮮やかなアクセントがプラス。
透け感やプリントは建築資材から着想。(*3)さらに今年からメンズラインも加わる。

エシカルに消費する方法を探る今、Side Cは一つのアイテムから複数のアイテムを見出すことができる。
遊び心を織り交ぜながら、少ないものから多くの可能性を引き出してくれる。


*1
Side Cとは洋服の表と裏の間の存在、普段は袋の内部に隠れていて意識することの無い空間に注目することで生まれた、新しい仕立てと型紙設計のアイデア。
袋状の存在(Side C)をデザインや機能として使用するために、様々な方法で分解(開閉/裁断/剥がす)、再構築することで新たなデザインとなり、さらに再構築したものから元の洋服に戻ることを可能にした、着方を自由に選べる新しいデザインアプローチを提案している。
1,13・・・開閉
26,33・・・裁断
5,7,21,24・・・剥がす


*2 着る人が自由に着方を選べることで一つの着方に捉われることなく、自由さが生まれる「Side C」
2,12・・・身体を通す位置を変えることにより、コートがドレスに変化する「背裏のSide C」
28,32・・・中綴じの原理を利用し一つのアイテムに新たなディティールを加える「中綴じのSide C」


*3
テキスタイルの透け感やプリントは建築資材から着想した。用途や質感を生かすことでアイテムの特徴となっている
18,30・・・断熱材からインスピレーションしたプリントと断熱資材を思わせるダウンの透け感が特徴なパファージャケット
8・・・資材のグレーチング(格子状の溝蓋)からインスピレーションされたテキスタイル
35・・・木組み建築からインスピレーションされたテキスタイル
25・・・テント用ロープをインスピレーションにしたニット素材
23・・・園芸などで使用しているスプリング入りのバケツ型収納バッグがイメージ


What we do not show is truer, and more important, than what we show

Between the outside and the interiors of a building, right inside the walls, sit the insulation layers. No one can see them, but they are important. Fundamental, in fact. Between the outside and the lining of a garment, equally, sits a space that asks to be explored: a space for padding, or simply an in-between. Side C is a transformative look at classics that focuses on the layer and the in-between no one sees: the most intimate and defining one. By opening, slicing and peeling garments, new functions are added. Possibilities expand, actively involving the wearer in a process that is fluid and reversible. Be it a parka, a trench coat or a knitted dress, but also a pair of shoes or a bag, each piece becomes a multitude of pieces. There is never one single key to how to wear it and use it, but many. Shapes change, functions morph, as the wearer is allowed the freedom of transformation. The silhouette is easy and fluid. Colors are muted – black, grey, khaki – with bright brights as an accent. Transparencies and prints highlight the idea of construction. From this season, menswear is introduced. Looking for a responsible way to consume less, Side C gets many items out of one single item. It invites us to do more, with less, in a playful way.

Review

パリ7回目の発表となるコレクションはSide C Vol.4と題し、“Intimate ”(親密)をテーマに人と衣服の新たな関係性を提案したコレクション。
建物は外壁と室内の間にも多くの資材が配置されており、それは誰の目にも触れないが重要な要素である。洋服でも同様に表と裏の「間」の存在(Side C)に新たな可能性を追求した。
肌触り、動きへの追従、感覚、目には見えない部分での洋服と身体との親密性を表現。
さらに洋服と洋服の「間」の存在を介し、洋服の可動域を広げ、進化したSide Cとなった。
着る人に多様性と自由を与えることで、一つのものから多数のものへ変換していける可能性にあふれたコレクションとなっている。

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