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about Ultimate Pima
by Taishoboseki

 

栽培から紡がれる想い

 

ビューティフルピープルのアイコニックなアイテムであるトレンチコートは、アルティメイトピマというオーガニックコットンを原料としています。カシミヤを思わせるなめらかさとナチュラルな光沢がありながら、どこかカジュアルな一面も感じるハリとコシ。そのアルティメイトピマとの出会いは、13年も前にさかのぼります。アルティメイトピマの平織り生地に触れたとき、私たちは一瞬のうちにその生地へ惹きつけられました。そして、アルティメイトピマに秘められた本当の魅力を知ると、さらなる感動を覚えることになりました。

 

−価値の本質とは、品質的な側面だけなのか?

 

私たちは、世界的に見てもアルティメイトピマは最も『価値』のある素材の1つと考えています。

 

繊維が長いから、

強度が強いから、

オーガニックであるから、

品質としての価値はもちろんですが、私たちを魅了して止まない『価値』はすこし異なります。

 

アルティメイトピマの誕生には、1人の女性がもつオーガニックコットンへの尽きない想いが秘められています。そして、その想いを大切に守り育て続ける1つの農園、その想いに出会い導かれた紡績会社。

 

綿花の誕生から栽培、そして紡績に至るまで脈々と紡がれる想いに私たちは『価値』を感じています。

アルティメイトピマ

 

アルティメイトピマは、長い繊維をもつ超長綿であり、無農薬で栽培されるオーガニックコットンです。超長綿の平均繊維長が34.9mmほどとされるなかで、アルティメイトピマは37.5mmと非常に長くしなやかな繊維です。また、そのルーツには高品質で知られるシーアイランドコットンの純粋な系譜をもち、30年以上その種を守り続けているニューメキシコ州のドーシーアルバレス農園で育てられています。

 

世界の綿生産量が約25,000,000トンとされるなか、超長綿の割合は1.6%のみであり、オーガニックコットンも同様に生産量の1.6%ほどと言われています。超長綿でありオーガニックコットンでもあるアルティメイトピマの存在は非常に稀有なものであり、年間でたったの50トンほど、全体の0.0002%しか生産されていません。

トレーサビリティ

 

アルティメイトピマにおいて、私たちはそのトレーサビリティに魅力を感じています。栽培から紡績、そして製織から製品まで、いつ・どこで・だれが生産しているのかがわかることは、オーガニックを裏付けるだけではありません。

 

だれよりも早くその魅力を見いだし、『オーガニックの母』と呼ばれるサリーフォックスさん、30年以上も無農薬栽培を続ける農家ドーシーアルバレスさん、そしてドーシーさんと契約栽培を結んでいる大正紡績。そのトレーサビリティには、アルティメイトピマを中心とした物語があります。

 

オーガニックコットンの品質は劣悪であり、機械で紡績することが非常に難しいとされていた1980年代に、農薬による環境や人への影響を危惧したサリーフォックスさんは、オーガニックの可能性に情熱を注ぎました。その情熱が架け橋となり、ドーシーアルバレス農園と大正紡績の関係はスタートしました。ドーシーアルバレス農園では、大正紡績のためだけにアルティメイトピマの綿花を栽培してます。そして、大正紡績は、信頼の証として毎年生産されたアルティメイトピマをすべて買い取る約束をしています。

 

その信頼関係は、22年たった現在でも変わりません。

大正紡績のあくなき姿勢

 

大阪泉州の地に根付き、100年以上の歴史を誇る大正紡績は、紡績の世界において異質な存在です。品質とコスト以外の新しい価値観を作り出すというクラフトマンシップあふれる姿勢が評価され、紡績会社としては異例の毎日ファッション大賞を受賞しています。

 

一般的な紡績工場が扱うコットンの種類は、多くとも5種ほどです。しかし、大正紡績はオーガニックコットンだけでも11種、すべて合わせると30種以上扱っています。世界的にも類をみないほど多種多様に扱うことで、コットンの新しい可能性をクライアントへ提案しています。

 

常識にはとらわれないクラフトマンシップ。

 

『不良品 門外不出』

その言葉には、大正紡績の妥協なきモノづくりへの姿勢を色濃く感じます。

古い機械は職人を育てる

 

長い歴史をもつ大正紡績では、旧式機械が今も数多く動いています。なかには1956年に生産され、古希を控えるものもあります。古い紡績機は、現代のものに比べると非常にゆっくりとしています。そのため、綿へ過度なストレスが加わることがなく、ゆらぎを感じる糸を紡ぐことができます。しかし、旧式ではオートメーションできない工程や日々のメンテナンスなど、ひとの手を多く必要とします。

 

大正紡績では『古い機械は職人を育てる。』と言われています。手間と時間を惜しむことなくひとの手を大切にする紡績会社の糸は、品質以上の『価値』を魅せてくれます。

綿が糸になるまで

ジンニングと混打綿

 

収穫されたコットンボールは綿と種子が絡み合っているため、まず綿だけを取り出すジンニングを行います。アルティメイトピマは、伝統的な水牛の皮をつかったローラージンで手間と時間をかけてゆっくりとやさしく取り出されています。

そして次は、混打綿と呼ばれる過程に送られます。混打綿では、絡みあったコットンを紡績しやすいように解きほぐす開繊、葉ごみをはじめとする異物を取り除く除塵をおこないます。

 

ビューティフルピープルのトレンチに使用する糸はとても繊細な糸のため、混打綿工程、次のカード工程において、通常の1/5ほどと非常にゆっくりとその工程を経ています。糸のベースとなる最初の工程において時間と手間をかけて丁寧に行うことで、原料の良さが損なわれることなく、その特徴を最大限に生かすことができます。

カード工程と練条

 

混打綿機から送られてきたコットンは、カード工程でさらに細かなゴミが取り除かれ、優しく解きほぐされます。その姿は、まるでふわふわな甘い綿菓子のようです。

開繊された綿は、スライバーと呼ばれるロープ状の1本の太い束にまとめられます。スライバーの繊維は、コーミングすることである程度同じ方向を向いていますが、何本ものスライバーを1本に束ねては引き伸ばし、また束ねては引き伸ばし、繰り返しおこなうことでさらに均整のとれたスライバーとなります。その工程を練条と呼びます。

粗紡と精紡

 

練条スライバーは、粗紡工程によって8倍程度に引き伸ばされた粗糸になります。この工程では、1インチごとに1回前後の軽い撚りを入れることで強度を持たせます。精紡工程では、粗糸を30倍ほどに引き延ばし、さらに撚りを加えます。数百本もの粗糸を機械に掛け、糸をつなぎ、太さ(番手)や撚数、ムラやスラブの形状など作る糸に合わせて機台設定を変えるなど、多くの人手と時間をかけて綿から糸へ生まれ変わります。

最後に。

 

サリーフォックスさん、ドーシーアルバレスさん、大正紡績。

私たちは、脈々とつづく想いをお客様へ紡ぐことが大切だと考えています。

 

『大人のための子供服』として誕生したトレンチコートを介して、親から子へと、そしてさらにその子へと、大切な想いが続くと信じています。

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